2014年に埼玉県朝霞市で当時中学1年の少女を誘拐し、千葉の自宅で約2年間監禁した「寺内樺風 / てらうち かぶ」です。
この裁判の争点は、寺内樺風に責任能力が問われるかどうか?といことでした。
それは、弁護側の請求により裁判所が被告の精神鑑定を実施し「自閉スペクトラム症」の傾向にあったとの鑑定結果が出たからです。
検察側は「インターネットで中学校を物色して少女を追尾するなど計画的かつ巧妙な犯行だ」として完全責任能力が認められると主張しました。
※ 自閉スペクトラム症:相手の感情を感じ取ったり自分の行動の不適切さを理解したりすることが苦手な発達障害
2017年8月29日の初公判では、寺内樺風は法廷でキチガイを装います。
寺内樺風「私はオオタニケンジでございます」
寺内樺風「キィィエーーー!!!」
裁判長「ここはどこですか?」
寺内樺風「私はお腹が空いてます」
裁判長「ここはどこですか?」
寺内樺風「今ならからあげクン1個増量中」
裁判長「ここはどこですか?」
寺内樺風「トイレです」
裁判長「ずっとこの調子なんですか?」
弁護人「今朝からこの調子です…」
埼玉少女誘拐事件の概要や流れ
犯行当時に、少女に「さがさないで」と書かせたメモを少女自宅の郵便ポストへ入れていました。
寺内樺風は少女を監禁してから、少女を洗脳するためアサガオの種から抽出した麻薬成分を食事に混ぜています。
そして両親から見放された、もう探してない、両親は借金で君の臓器を売ろうとしていた。など吹聴します。
音声合成ソフトで作った臓器売買に関する音声データを聞かせるなどをして洗脳を始めます。
少女に捨てられた、帰る場所がないと思い込ませる寺内樺風です。
身体的にも精神的にも少女が脱出困難な状態にし、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を負わせたなどとされています。
監禁後の約一ヶ月後に、少女は外へ出て助けを求めるも相手にされずに、寺内宅へ戻ってしまった事で事件は約2年間も続きました。
寺内樺風が外出している間に、少女は普段から禁止されていたインターネットで両親が「味方だよ、ずっと待っているよ」と自分にメッセージを送っていることを知り脱走を決意します。
そして2016年3月27日に部屋を抜け出して、公衆電話から家族連絡した事から事件が発覚しました。
もう一つの争点が監禁中に性的暴行をしたか?否か?
少女を監禁していたとすれば、大きく関心が集まったのが「性的暴行の有無」ですね。
もし性的暴行があれば、求刑は15年ほどではないか?と言われました。
少女は10年以上は出て来て欲しくない。一生刑務所から出て来られない様に無期懲役にして欲しいと思いますと訴えました。
結果として暴行はなく、2018年3月12日さいたま地裁は、寺内樺風の責任能力を認め「卑劣で悪質」として懲役9年の判決を言い渡しました(検察側の求刑は懲役15年)
不規則発言を続け判決言い渡しが延期されていた「寺内樺風」の事件が一先ず形だけは終決しました。